人材不足が加速するIT業界では、エンジニアの需要が高まっています。
企業が人材確保に追われる一方で、年収アップやキャリアアップを目指して転職を検討するエンジニアも多いのではないでしょうか。
ステップアップのために転職を検討している
エンジニア転職のポイントや、注意点を知りたい
本記事は
- エンジニア転職のリスクとデメリットの理解
- 転職に際しての不安要素の明確化
- 転職成功のための心構えと戦略
以上のポイントを中心にエンジニアが転職する際のリスクやデメリットとそれらを解消する方法についてご紹介します。
転職を成功させ、より良いキャリアを築くために参考にしてください。
エンジニア転職の一般的なリスクとデメリット
エンジニアが転職する際のデメリットはどういったものだろうか?
キャリアの中断やスキルセットのミスマッチ
転職活動の際に企業の知名度やなんとなくの興味で応募してしまうと、それまで積み上げていたキャリアの中断や、スキルのミスマッチからなかなか内定が得られなかったり、入社後に苦労したりします。
後述の「転職成功への戦略と心構え」の項を参考に、自己分析とキャリアプランの設定、スキルの棚卸しを行ってから転職活動を開始しましょう。
また、エンジニアが大手企業へ転職する場合、開発業務よりも管理業務や顧客との折衝といった業務に触れる機会が多くなる可能性があります。
業務の幅を広げることが目的であれば問題ありませんが、ギャップとならないように転職先の職務や仕事内容をしっかり確認してください。
新しい職場での適応と文化的な衝突
転職をして新しい職場やプロジェクトに移る際には当然、適応するには時間がかかります。
初めて使うツールやシステム、新しいプロセスに慣れるには、繰り返して技術やスキルを習得していく必要があるためです。
また、転職によって環境や人間関係もリセットされます。価値観や組織構造、コミュニケーションスタイルは企業によって異なり、入社後すぐは何かとストレスがかかるでしょう。
例えば仕事の進め方に大きく影響を出す要素として、厳密に設定されたルールや部署間のパワーバランスなどがあります。エンジニアの中には論理的な考え方から無駄を感じることが多く、スムーズに進められない仕事に不満を抱くかもしれません。
職場の雰囲気や仕事の仕方を面接時に尋ねたり、入社前にツールやシステムについて独学である程度知識をつけておくことをおすすめします。
経済的リスクとキャリアの不確実性
転職先の規模や成長フェーズによっては、手当や福利厚生が現在より低下する可能性があることに注意しましょう。
せっかく収入が増えても、福利厚生を含めるとプラスマイナスゼロといったことも考えられます。
特に、スタートアップやベンチャー企業の場合、安定性や成長性が不確実のため覚悟が必要です。
また、雇用形態も企業により異なります。正社員や派遣などの契約条件はしっかり確認しておきましょう。労働基準法の適用可否、報酬形態や裁量権の有無などの違いにより、「転職で叶えたかったことができない」という事態にならないよう注意が必要です。
リスクとデメリットを踏まえた上での、エンジニア転職成功への戦略と心構え
エンジニア転職成功に向けた戦略や心構えはどういったものか?
自己分析とキャリア目標の明確化
IT業界は進歩と変化が激しい業界です。そのためITエンジニアは常に自身の知見をアップデートし対応していくことが求められますが、闇雲に知識を詰め込んだりするだけではキャリアを積み上げていくことは難しいでしょう。
キャリアプランは自身が成長していく軸であり、方向性を定めるものです。以下のポイントに沿って、しっかりと自己分析をしながらキャリアプランを設定しましょう。
最終的に何をしたいかを明確にする
まずは何を目指すのかといったゴール地点を定めましょう。
目標を決めることで、具体的に何が必要になのかが分かりやすくなります。
現状を把握し、足りないものを知る
目指すべきゴールを明らかにした後は、自己分析とキャリアの棚卸しをしていきましょう。
これまで積み重ねてきた経験や実績を整理することで、自身の強みや特性を再確認できます。
自己分析は学生時代の記憶や思い出など自身を深掘りしていきます。自分ではよく分からない場合は、友人や家族に相談して客観的な意見を貰うのも効果的です。
ゴールまでのスケジュールを立てる
最終的なゴールと現状の把握ができたら、進みたい方向に必要なスキル・経験と比較して達成までの道のりを決めましょう。
現状のスキルが大きく不足している場合は、補う方法を考えなければなりません。
ネットワーキングと業界情報の活用
転職活動を有利に進めるために、IT業界の動向やトレンド、求人情報についての情報を集めましょう。情報源は1つだけでなく、複数で活用すると幅広い情報が収集でき、選択肢が広がります。
転職サイト
商品やサービス、興味がある分野などのキーワードで検索すれば、該当する求人を閲覧することが可能です。
また、匿名で職務経歴や希望条件を登録しておくと企業からオファーが届く「スカウト機能」も便利なためおすすめです。
自分に興味を持つ企業を知ることで、自分の「市場価値」を推測できます。
転職エージェント
転職エージェントを活用すれば、転職サイトでは公開されていない非公開求人についての情報が得られます。
これまでの経験やスキルをふまえたキャリア構築についての相談も可能です。自分でも想定していなかった分野で、経験を活かせるポジションが新しく見つかるかもしれません。
また、先々の選考ステップでも履歴書や職務経歴書の添削、面接練習などのサポートを受けられるため、内定の確率を上げたい方におすすめです。
勉強会やSNSなど
勉強会やセミナーは多くのエンジニアが集まり、交流も盛んです。気になる企業の求人情報や、業界のトレンドについて探ってみましょう。
- 長期的なキャリアパスとリスク管理
ITエンジニアとして長期的に活躍するためのキャリア展望を描くには、「キャリアプラン」の設定が必要です。
キャリアプランを設定すると、将来の理想像と現状とのギャップが明確になり、今やるべきことが分かります。
現在の職場でのキャリアアップを目指す場合や、別の企業で新たな分野に挑戦する場合でも、効率よく経験やスキルを積み上げていく指針にできます。
リスクとデメリットを考慮した、エンジニア転職後のキャリア管理と成長
エンジニア転職後に注意する点にはどのようなものがあるだろうか?
新しい職場での適応戦略
先述した通り、新しい環境はどんな人でも緊張したり悩みや不安を抱えます。
とはいえ、よほどのことがない限りは最初から悪い印象を持たれることはありません。
まだあなたのことをよく知らないため、好きでも嫌いでもないといった状態といえるでしょう。ここからは、印象をよくするためのポイントを解説します。
挨拶はしっかりと
朝には「おはようございます」、退社時には「お先に失礼します、お疲れ様です」、といった挨拶は基本中の基本です。
他には、声をかけられた際の返事や手助けしてもらった際のお礼ははっきりと述べましょう。声をかける際は、相手の名前で呼びかけると更に印象が良くなります。
時間厳守で連絡をこまめにとる
時間というものは有限であり、相手にとっても自身にとっても大切なものです。
そのため、時間を守れない人は印象を悪くするだけでなく、信用も失ってしまう恐れがあります。
社会人の基本的なマナーとして、時間厳守と報連相は欠かさないよう心がけてください。
身だしなみや整理整頓ができている
清潔感というものは、仕事中だけでなく普段から心がけておくことが大切です。
第一印象はほぼ見た目で決まるため、身だしなみやデスク・ロッカーなどの周辺整理に留意してください。
不衛生だと近寄りたくないと思われてしまい、孤立へと繋がる可能性もあります。
最初は無難な服装を心がけ、なるべく机の上などに荷物を広げないようにしましょう。
前職のルールは持ち込まない
業務内容やスタイルに相違がある場合、前職場のルールを持ち込んでしまいがちなので注意してください。
企業それぞれでやり方やルールは異なっており、それぞれ理由があったうえで浸透しています。
慣れないうちから前の職場の事例を持ち出されても、新しい職場の同僚達は困ってしまうでしょう。
たとえ改善になる提案をしたくても、新しい職場のルールを理解してからのほうがリスクは低いです。
スキルアップと継続学習の重要性
エンジニアは常に学習を継続していくことが必要です。
それはIT業界は技術変化のスピードが速く、数年おきに新しいものに置き換わっていくことが多いためです。
学習をやめてしまったエンジニアの市場価値はすぐに落ちていってしまうでしょう。
進化していく技術を取り入れるために学習を継続していくことが、自身のスキルアップにも繋がります。
また、自身の市場価値を向上させていくために自己ブランディングは欠かせません。
自己ブランディングをする際には、自己分析が必要となるからです。自己分析は転職活動で必須となるものですが、それ以外のときでもこまめに取り組むことをおすすめします。
自身の経歴や実績の棚卸しとスキルや強み・弱みの整理を行なうことで、キャリアプラン上の目標を再確認できます。そして自身のキャリアアップや年収アップを実現しやすくなるのです。
キャリアの長期的な展望と計画
ITエンジニアは、キャリアを積み上げていく軸であるキャリアプランを設定することが重要です。
若いうちはスペシャリストとして専門性を高めていくことを目指すことが王道ですが、30代後半から40代になるとゼネラリストを目指す方が多い傾向です。
広く(スペシャリストよりは)浅く知見をアップデートしながらマネジメント側の業務に携わりやすい働き方であることが理由と考えられます。
どちらを選択する場合でも「5年、10年先も変わらない意欲で働いていられるか」を意識してキャリアプランを設定しましょう。
エンジニア転職のリスクとデメリットに関するまとめ
今回はエンジニアが転職する際のリスクやデメリットについて、解消するポイントと併せて初回しました。
- エンジニア転職のデメリットは多岐にわたるが、適切な準備と心構えで乗り越えられる。
- 自己分析、市場調査、ネットワーキングは転職成功の鍵。
- 転職後は、適応、スキルアップ、キャリアプランニングに注力する。
以上の要素と本記事を参考にして、新しい職場環境への適応に役立ててください。
エンジニア転職のリスクとデメリットに関するよくある質問
転職に失敗する主な理由はなんですか?
転職に失敗する主な理由は以下が挙げられます。
- 業界に関する情報にうとい
- キャリアプランを明確にしていない
- 選考対策が不足している
- スキルが不足している
詳細は「転職成功への戦略と心構え」と「転職後のキャリア管理と成長」 の項をご参照ください。
エンジニアとして転職する際に重要なスキルはなんですか?
エンジニアとして活躍していくには、ハードスキルとソフトスキルの両方を身につけておく必要があります。
ここでは、ハードスキルはIT業界の技術に関する知識や業務ノウハウを指し、ソフトスキルはメンバーまたはクライアントとのコミュニケーションなど人間関係を円滑にする能力を指しています。
ハードスキル
- プログラミング言語
- システム構造の理解
- データベースに関する知識と管理能力
- ネットワーク技術に関する知識
- セキュリティ技術に関する知識
ソフトスキル
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- チームワークと協力性
- リーダーシップとタイムマネジメント
- 適応性と学習意欲
ITエンジニアは具体的な知識とスキルの習得と、技術進化やニーズ変化に合わせ更新に努めていくことが求められます。
転職活動中にどのような情報を集めるべきですか?
転職活動中には以下の情報を適宜集めることをおすすめします。
- IT業界の動向やトレンド
- 応募企業の情報
転職サイトや転職エージェント、企業ホームページなどから集めることが可能です。
また、情報源は一つだけでなく、複数活用すると良いでしょう。
詳細は「ネットワーキングと業界情報の活用」の項を参照ください。