ITエンジニアに興味があるけど、未経験でスキルがないため転職は難しいと考えていませんか。
未経験でスキルがないが、エンジニアに転職できるのか
エンジニアに転職すると、どのようなメリットがあるのだろう
本記事では、
- 未経験からエンジニアに転職するための具体的な準備方法
- エンジニア転職を考える理由とその背景
- エンジニアに適した性格や特徴、及び年収の実情
について解説いたします。
本記事を参考にしっかりと準備すれば、未経験からエンジニアへの転職も夢ではありません!
未経験からエンジニア転職への道筋
どうすれば未経験からエンジニアに転職できるのだろうか?
エンジニア転職の準備方法と求められるスキルセット
未経験からITエンジニアへ転職するためには、既にエンジニア経験を積んでいる場合とは異なった事前準備が必要です。未経験の場合の転職活動開始前の準備をご紹介します。
目指す職種を選択する
ITエンジニアには、後述の通り様々な職種があります。
目指す職種によって必要な知識やスキルが異なり、今後の収入に差が出てくるため慎重に選びましょう。
自身がやりたいこと、向いていることから選択できれば良いですが、よくわからない場合は転職エージェントからアドバイスをもらうのがおすすめです。
必要な知識やスキルを勉強する
ITエンジニアになるには、ネットワークやプログラミングの知識が必要です。
書籍やインターネットから独学で学んだり、通信講座やスクールを活用するのもおすすめです。無料で学ぶことができるツールや環境が豊富なため、積極的に勉強していきましょう。
また、目指す職種によって必要なスキルは異なりますが、ITエンジニアが共通で活用できるスキルとしてハードスキルとソフトスキルの基礎を勉強しておくと良いでしょう。
ハードスキル
- プログラミング言語
- システム構造の理解
- データベースに関する知識と管理能力
- ネットワーク技術に関する知識
- セキュリティ技術に関する知識
ソフトスキル
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- チームワークと協力性
- リーダーシップとタイムマネジメント
- 適応性と学習意欲
これらは、実際にエンジニアとして働き経験を積んでいく中で習熟度が上がっていきますが、事前に基礎部分だけでも勉強しておくと他の求職者よりリードできるでしょう。
小さな実績を積んでおく
ある程度の知識を得て余裕があれば、未経験でも受注できる単発の案件を探してみましょう。
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサービスではレベル感に合わせて豊富な案件の募集があります。
ここで小さな実績を得ておくと、転職活動で積極的にアピールできますよ。
独学と資格取得のバランスの重要性
ITエンジニアは転職する際に、資格が必須ではありません。
それは、資格よりも実務経験や習得した技術や知識が重要視されるからです。
しかし、未経験の場合はIT業界での実績がないため、独学である程度の知識を得ておくことが必要でしょう。資格を持っていれば、学んだ知識を証明できます。
また、企業によっては資格手当を設定している場合があり、給与アップの可能性もあります。
未経験者におすすめの資格を以下に紹介します。
基本情報技術者
基本情報技術者はIT系の資格で最も有名な資格です。IT業界で働く人を対象とした国家資格で、プログラミング言語やデータベース、ネットワークの基礎的な知識が対象となります。
ITエンジニアとして働くための基礎を一通り学ぶことができるため、未経験者に最もおすすめする資格です。
ITパスポート
ITパスポートは、IT業界の入門資格といえる国家資格の1つです。ITに関わる際の基礎知識が対象であるため、未経験者が初めに知識の習得具合を確かめるのに良いでしょう。
学生も受験可能な資格のため、現役エンジニアへの需要は高くありませんが、学びに対する姿勢をアピールするのに有効です。
実務経験を積むための初歩的なプロジェクト
先述した通り、未経験からITエンジニアを目指す際に、小さな実績を積んでおくと有利です。
クラウドソーシングサービスで個人的に単発の案件を受注する以外に「派遣エンジニア」を利用する方法もあります。正社員型派遣エンジニアは、プロジェクト単位で派遣先の企業へ加わります。企業で実務経験を積むことができ、時には派遣先企業の正社員として登用される可能性もあります。
未経験の人がエンジニア転職を考える理由と市場状況
エンジニアの市場動向は今どうなっているのだろうか?
エンジニアの給与が高い理由と業界の需要
IT業界のテクノロジーは日々進歩しており、さまざまな企業や分野での活用が広がっています。IoT、AI、クラウドシステム、ビッグデータなど、高度な技術力とスキルを持つエンジニアの需要が高く、人手不足が今後も拡大していくと予想されます。優秀な人材確保のため高い報酬を出す傾向があり、収入アップのチャンスは豊富と言えるでしょう。
下のグラフは経済産業省のIT人材の動向と推移に関する調査結果の報告です。
IT業界の人材不足はどんどん拡大し、2030年には約59万人の人材不足となると予測されています。
引用:https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s02_00.pdf 「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」経済産業省
人手不足と技術進化の影響
先述の通り、ITエンジニアは技術進歩により人手不足傾向にあります。
さらに人手不足拡大に拍車をかける要因として、ITエンジニアの高齢化が挙げられます。
現在30代〜40代の割合が多いエンジニアですが、2030年ではその割合が減少する一方、50代以降の割合が増加していくことが予想されています。
技術者の高齢化が進むと、技術進歩のスピードに追いつけなくなる可能性が問題視されています。
引用:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf 「-IT人材需給に関する調査-調査報告書」みずほ情報総研株式会社
転職市場におけるエンジニアの位置付け
人手不足の影響を受けて、ITエンジニアの転職市場は売り手市場となっています。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)推進やITインフラ整備への課題によるニーズの高まりと、リモートワークや副業といった働き方の多様化からITエンジニアの転職は盛んです。
そのため、未経験若手人材のポテンシャル採用のチャンスも拡大していると言えるでしょう。
未経験からのエンジニア転職に向いている人の特徴と年収の実態
どんな人がエンジニアに向いているのだろうか?
エンジニアに求められる性格や能力
ITエンジニアの需要が高まっていますが、誰でも成功できる訳ではありません。
ここではITエンジニアに向いている特徴と資質についてご紹介します。
継続して勉強ができる
IT業界では、日々技術が進歩しています。
現役のITエンジニアも、進化する技術をたゆまず学び、自分の持つ知識を常に更新しながら業務にあたっています。
IT業界にエンジニアとして飛び込むには、学ぶことが苦ではなく、知識を吸収し続けることができる人材である必要があります。
地道な作業が好き
ITエンジニアの業務には、コツコツと地道にプログラミングを構成する作業があります。
エラーが発生する度に細かく検証し、再構成する作業をエラーが解消されるまで続けなければなりません。
そのため、地道な作業を好む人材であれば、試行錯誤を繰り返しながら成果を出すことができるでしょう。
忍耐力がある
ITエンジニアの仕事には、クライアントから引き出したニーズに応えることも含まれます。
依頼されたシステム開発の工程では、スムースに進行しないことも多いでしょう。
すぐに諦めたり妥協せずにトライ&エラーを繰り返しながら課題を解決する資質が重要と言えます。
経験とスキルに応じた年収の変動
IT業界の平均年収は約300~400万円です。
未経験でエンジニアに転職した場合は、平均を少し下回る程度が目安でしょう。現役エンジニアの場合は、20代後半で約440万円、30代で520万円と経験によって増加する傾向です。
また、ITエンジニアは携わる職務や分野で細かく分類されており、年収も異なります。
以下の表は「求人ボックス、給料ナビ、doda、indeed、マイナビ」に記載されている年収データから平均を算出し、ランキング化したものです。
自分がなりたい職種、気になる職種はどの辺りなのか確認しておきましょう。
順位 | 職種 | 平均年収 |
1位 | プロジェクトマネージャー | 636万円 |
2位 | データサイエンティスト | 621万円 |
3位 | フロントエンドエンジニア | 611万円 |
4位 | クラウドエンジニア | 610万円 |
5位 | サーバーサイドエンジニア | 600万円 |
6位 | AIエンジニア | 600万円 |
7位 | セールスエンジニア | 599万円 |
8位 | プロジェクトリーダー | 586万円 |
9位 | QAエンジニア | 578万円 |
10位 | ゲームエンジニア | 571万円 |
11位 | マークアップエンジニア | 549万円 |
12位 | アプリケーションエンジニア | 526万円 |
13位 | セキュリティエンジニア | 525万円 |
14位 | サーバーエンジニア | 502万円 |
15位 | 社内SE | 502万円 |
16位 | システムエンジニア | 485万円 |
17位 | データベースエンジニア | 476万円 |
18位 | 組み込みエンジニア | 458万円 |
19位 | ネットワークエンジニア | 458万円 |
20位 | ITヘルプデスク | 393万円 |
引用:https://unison-career.com/engineer-media/6013/#4IT1000 「【職種別】ITエンジニアの平均年収ランキング!給料アップ法なども紹介」ユニゾンキャリアメディア
30代未経験者のエンジニアとしてのキャリア展望
30代での未経験からエンジニアへの転職は、20代と比較して難しくなります。
それは、30代の転職では実務経験やスキルを評価されるため、ポテンシャル採用の可能性が低いためです。
よって、できる限り早く転向し、着実に経験とスキルを身に着けることがエンジニアとして成功する鍵と言えるでしょう。
また、現職でのマネジメント経験や高いコミュニケーション能力を有し、十分にアピールできればより可能性が高まります。
未経験の方のエンジニア転職成功のための心構えと戦略
未経験でエンジニア転職にチャレンジする際に、重要なことは何か?
転職活動の計画と面接対策
文系出身など未経験からエンジニアへ転職する場合の転職活動でのポイントと、面接対策についてご紹介します。
転職したいエンジニアの職種を決める
エンジニアの職種は多岐にわたり、それぞれで必要な勉強が異なります。
事前に勉強したのに分野が間違っていたとならないように、まずは職種を明確にしましょう。
IT業界の動向をチェックする
エンジニア職種毎の専門知識に加えて、IT業界の動向もチェックしておきましょう。
企業選びや面接時に役立てることができます。
エンジニアとしてのキャリアプランを設定する
職種やIT業界について調べた上で、エンジニアとしてのキャリアプランを設定しましょう。
キャリアプランについては後述で説明します。
転職サポート可能なスクールに通う
最近は、転職サポートも受けられるITスクールが増えています。
転職活動と合わせて勉強と資格取得をしたい場合におすすめです。
面接対策をする
転職理由、志望動機、自己PRは必ず質問されるので準備しておいてください。
他の質問は職務経歴書、履歴書の深掘りをするものが多いので、2つの書類を読み込んでおきましょう。
また、転職エージェントに依頼している場合は、面接練習やアドバイスの対応をしてくれる場合があります。不安な場合は相談してみてください。
以下の記事も面接対策の参考にどうぞ。
- https://type.career-agent.jp/knowhow/it_web/change_reason_engineer.html 「ITエンジニア面接で転職理由の上手な回答方法と例文を解説」type転職エージェント
- https://doda.jp/engineer/guide/it/004.html?argument=MC76WbSa&dmai=a64eec203abec5&cid=001004020053002&gad_source=1&gbraid=0AAAAADo4kc9MYwF2zclfn8vlZ4ASQcD8q&gclid=CjwKCAjwte-vBhBFEiwAQSv_xaURaZy7G28JhHE9cHZu7hWlduVRESfAG23-Yyv55xKeSnCt6o_tIxoCU44QAvD_BwE&gclsrc=aw.ds 「ITエンジニアの面接よく聞かれる質問と受け答えのポイント<回答例や逆質問例あり>」doda
再転職の可能性とキャリアアップの戦略
再転職はキャリアアップのために、必要になるかもしれません。
まずは、独学や転職先での業務を通して知識や技術、スキル習得に向けて励んでください。
ある程度経験を積み、現職場では自身のキャリアプランに沿わない、理想を実現できないと感じたときが再転職の機会と言えます。
その際は、キャリアプランと照らし合わせて、自身の軸を持って転職活動に取り組んでいけば着実なキャリアアップが実現できるでしょう。
持続可能なキャリア形成のためのアドバイス
ITエンジニアとして長期的に活躍するためのキャリア展望を描くには、「キャリアプラン」の設定が必要になります。
キャリアプランを設定すると、将来の理想像と現状とのギャップが明確になり、今やるべきことが分かります。
現在の職場でのキャリアアップを目指す場合や、別の企業で新たな分野に挑戦する場合でも、効率よく経験やスキルを積み上げていく指針にできます。
エンジニアとして長期的なキャリアを築いていくには、キャリアプランの設定と定期的な自己分析による自己ブランディング、そして継続的な勉強が必要になります。
未経験からのエンジニア転職に関するまとめ
今回はT業界に興味を持ち、未経験からエンジニアへ転職したい方へ向けてエンジニアとして成功するポイントをご紹介しました。
- エンジニアへの転職は準備と適性の理解が鍵
- 給与の高さだけでなく、キャリアの長期的な展望を持つことが重要
- 成功的な転職には戦略的なアプローチと持続的な学習が必要
まだまだニーズが高まるITエンジニアへ少しでも興味がある方は、この記事を参考に転職活動を開始してみませんか。
未経験からのエンジニア転職のよくある質問
未経験からエンジニアになるにはどのような準備が必要ですか?
未経験からITエンジニアを目指すには、以下の事前準備をすることをおすすめします。
・目指す職種を選択する
・必要な知識やスキルを勉強する
・小さな実績を積んでおく
詳細は「エンジニア転職の準備方法と求められるスキルセット」の項をご参照ください。
エンジニアの給与が高い理由は何ですか?
IT業界の技術進歩と展開により、エンジニアが不足しているからです。
今後もこの傾向は拡大していくと予想され、エンジニアの転職市場は活発化するでしょう。
詳細は「エンジニアの給与が高い理由と業界の需要」の項をご参照ください。
エンジニアに向いている性格や特徴は何ですか?
ITエンジニアに適しているとされる特徴は以下の通りです。
・継続して勉強ができる
・地道な作業が好き
・忍耐力がある
詳細は「エンジニアに求められる性格や能力」の項をご参照ください。
未経験者でもエンジニアとしてのキャリアを築けますか?
未経験者からITエンジニアとして成功するには、転職時にしっかりとキャリアプランと方向性を定めることが重要です。
自身の中で軸を持ち、理想像に向けて常に勉強や経験を積むことができれば着実にキャリアを築いていけるでしょう。