新卒から数年経ち第二新卒としてエンジニアへの転職を考える人が増加しています。
しかし、収入は安定しているのか、転職が成功しやすいタイミングはいつかなど不安に感じることは多いでしょう。
エンジニアに転職したいが、転職後の環境を知っておきたい
エンジニア転職を成功させるためには、どうしたら良いのだろう
本記事では
- 第二新卒エンジニアの平均年収と市場価値
- エンジニア転職の最適な時期と準備期間
- 転職成功のための具体的なアプローチ方法
以上のポイントについて解説いたします。
本記事を参考にして、第二新卒での転職を成功させてください!
第二新卒エンジニアの転職後の平均年収と市場価値
第二新卒エンジニアはどのくらい給与をもらえるのだろうか?
平均年収と経験年数の関係
IT業界の平均年収は約300~400万円です。
第二新卒でエンジニアに転職した場合は、平均を少し下回る程度が目安でしょう。
下表は厚生労働省が公表している調査結果をもとに、年齢と事業規模毎のシステムエンジニアとプログラマーの年収を算出しまとめたものです。
表:各年代/エンジニア/プログラマーの年収
区分 | 平均 | 1,000人規模 | 100~999人 | 10~99人 | |
現金給与額+賞与 | 現金給与額+賞与 | 現金給与額+賞与 | |||
システムエンジニア | (男) | 単位(万円) | 単位(万円) | 単位(万円) | 単位(万円) |
~ 19歳 | 402.2 | 640.4 | – | 215.0 | |
20 ~ 24歳 | 680.9 | 799.8 | 733.1 | 481.6 | |
25 ~ 29歳 | 1251.9 | 1555.0 | 1317.2 | 804.7 | |
30 ~ 34歳 | 1648.7 | 2127.2 | 1674.7 | 1052.8 | |
35 ~ 39歳 | 1833.6 | 2447.4 | 1840.9 | 1172.2 | |
(女) | |||||
~ 19歳 | 242.2 | 202.0 | 190.0 | 323.3 | |
20 ~ 24歳 | 758.7 | 800.6 | 892.3 | 520.7 | |
25 ~ 29歳 | 1200.8 | 1258.8 | 1489.7 | 757.6 | |
30 ~ 34歳 | 1377.2 | 1746.5 | 1368.6 | 867.5 | |
35 ~ 39歳 | 1505.9 | 1802.5 | 1546.8 | 1110.0 | |
プログラマー | (男) | ||||
~ 19歳 | 246.4 | 194.6 | 285.5 | 255.8 | |
20 ~ 24歳 | 633.7 | 768.5 | 633.7 | 515.0 | |
25 ~ 29歳 | 1090.6 | 1459.6 | 1145.6 | 709.2 | |
30 ~ 34歳 | 1357.6 | 2008.1 | 1372.1 | 832.3 | |
35 ~ 39歳 | 1451.3 | 2232.4 | 1366.2 | 874.3 | |
(女) | |||||
~ 19歳 | 461.9 | – | 487.1 | 447.4 | |
20 ~ 24歳 | 684.3 | 942.8 | 646.8 | 492.4 | |
25 ~ 29歳 | 1069.5 | 1236.7 | 1225.4 | 744.4 | |
30 ~ 34歳 | 1204.6 | 1670.3 | 1244.9 | 718.6 | |
35 ~ 39歳 | 1155.2 | 1699.2 | 1337.6 | 496.6 |
引用:https://asiro.co.jp/media-career/7844/ 「20代ITエンジニアが転職する際に知っておくべき成功のコツと不安の解消法」 CAREER UP STAGE
経験年数を経る毎に年収は増加していく傾向であることがわかります。
第二新卒特有の市場価値とキャリアアップの可能性
第二新卒は新卒入社から数年経ってからの転職であるため、不利だと考える人もいるかもしれませんが、逆に大きな需要があります。
理由としては、第二新卒に以下の市場価値があるからです。
新卒に比べて教育コストを削減できる
第二新卒は新卒入社した企業で一通りのビジネスマナーや振る舞いを学んでいます。
社会人としての初歩スキルを教えることは、かなりのコストと時間を要しますが、第二新卒ではこの手間を省くことが可能です。
業界や職種に染まっていない
社会人としての経験が豊富になると、業界や職種、企業の文化に染まってしまい、柔軟性に欠けてしまうでしょう。
しかし、第二新卒はまだ経験が浅く社会に染まりきっていないため、新しいことを学び、取り組む姿勢に「素直さ」があります。
若手世代ならではの魅力であり、大きな武器と言えます。
キャリア形成を見据えたポテンシャルの高さ
第二新卒の転職者は、新卒入社から短い期間で再度自己分析をして転職活動に臨みます。
一度キャリア形成に失敗しているため、次は成功させようという意欲が高いでしょう。
将来について明確なビジョンを持ち、前向きな姿勢を期待する企業が多いです。
業界別・技術別の年収動向
ITエンジニアは携わる職務や分野で細かく分類されており、必要な知識やスキルが異なります。
そのため、どのエンジニア職種を選択するかによって年収に差が出てきます。
以下の表は「求人ボックス、給料ナビ、doda、indeed、マイナビ」に記載されている年収データから平均を算出し、ランキング化したものです。
自分がなりたい職種、気になる職種はどの辺りなのか確認しておきましょう。
順位 | 職種 | 平均年収 |
1位 | プロジェクトマネージャー | 636万円 |
2位 | データサイエンティスト | 621万円 |
3位 | フロントエンドエンジニア | 611万円 |
4位 | クラウドエンジニア | 610万円 |
5位 | サーバーサイドエンジニア | 600万円 |
6位 | AIエンジニア | 600万円 |
7位 | セールスエンジニア | 599万円 |
8位 | プロジェクトリーダー | 586万円 |
9位 | QAエンジニア | 578万円 |
10位 | ゲームエンジニア | 571万円 |
11位 | マークアップエンジニア | 549万円 |
12位 | アプリケーションエンジニア | 526万円 |
13位 | セキュリティエンジニア | 525万円 |
14位 | サーバーエンジニア | 502万円 |
15位 | 社内SE | 502万円 |
16位 | システムエンジニア | 485万円 |
17位 | データベースエンジニア | 476万円 |
18位 | 組み込みエンジニア | 458万円 |
19位 | ネットワークエンジニア | 458万円 |
20位 | ITヘルプデスク | 393万円 |
引用:https://unison-career.com/engineer-media/6013/#4IT1000 「【職種別】ITエンジニアの平均年収ランキング!給料アップ法なども紹介」ユニゾンキャリアメディア
1位のプロジェクトマネージャー、2位のデータサイエンティスト、3位のフロントエンジニアは、エンジニアとしての豊富な経験と優れたスキルが必要になるため年収が高い傾向です。
第二新卒エンジニア転職の最適な時期と準備期間
第二新卒で転職する適切な時期はいつ頃なのだろうか?
転職市場の動向と最適なタイミング
IT業界は人手不足のため転職を成功させやすい状況ではありますが、簡単というわけではありません。
最適なタイミングに向けて、入念な準備が欠かせないでしょう。
実は、転職には成功しやすい時期があります。
上半期末の9~10月と年度末の2~3月です。この2つの期間は異動や退職が発生します。
そのため企業は、人員の抜けた穴を埋めようと中途採用を積極的に行います。
通常期と比較して求人数が増えるため、転職が成功しやすくなります。
また、外資系企業は12月~1月決算のため、求人は10月以降に増えます。目標とする企業は日系か外資系か確認しておきましょう。
必要なスキルセットと準備期間の見積もり
第二新卒の未経験からエンジニアへ転職する際にアピールできるスキルは以下の通りです。
基本的なビジネスマナー
エンジニアの業務には、クライアントとの打ち合わせや折衝も含まれます。
相手に好印象を持たれるよう、身だしなみや言葉遣いといった基本的なビジネスマナーが必要です。
第二新卒は新卒で入社してから数年経っているため、ビジネスマナー研修や社会人研修は一通り受講済みでマナーは身についていると捉えられるでしょう。
もし不安があれば、転職エージェントからアドバイスを受けることも可能です。
体力と精神力
エンジニアは体力と根気強さが必要となる職業です。
第二新卒は新卒から短期間で次へと挑戦しているため、他の30代や40代の転職活動者より若いという強みがあります。
この強みを活かして体力とポテンシャルをアピールしましょう。
また、転職先での勤務が長続きするのかという疑念を持たれる場合があり、転職理由は明確にしておきましょう。
プログラミング能力
第二新卒の採用では未経験歓迎の求人も多くありますが、業務に携わる上でプログラミング能力は必要不可欠です。
いずれ習得しなけれならないスキルですから、転職活動と平行して勉強をしておくとよいでしょう。
他の転職活動者と差をつけることや、前向きな姿勢をアピールすることができます。
コミュニケーション能力
エンジニアは業務の中でチームのメンバーや、クライアントとやり取りをする機会が多いです。
そのため、コミュニケーション能力は必須であり、問題なく意思疎通や報連相が行えるかを確認されるでしょう。
問題解決に向けた論理的思考
エンジニアは業務の中で、クライアントへの説明やシステムエラーの問題解決に取り組むことが多いです。
このような場面で論理的思考を活用できれば業務をスムーズに進められるため、企業から評価されるスキルと言えるでしょう。
第二新卒特有の転職戦略
IT業界への転職には準備が欠かせないことは先述した通りです。
ここでは、企業が評価する第二新卒特有のメリットを紹介します。
社会人経験がある
第二新卒のメリットの1つは、短くても社会人として働いた経験があるということです。
「企業に属し仕事をする」ということを理解しビジネスマナーが身についているため、企業側の新人教育の負担を減らすことが可能です。
転職者の中では若い
もう1つのメリットは、「若さ」です。
第二新卒は22~25歳のため、30代や40代の転職活動者より若いため、伸びしろが期待されます。
また、エンジニアの業務は体力が必要になるため、若い人材は働き手として最適です。
政府の奨励制度に適した人材
3つ目のメリットは、第二新卒の採用が制度上で有利となることです。
第二新卒を採用し一定期間働いた場合、厚生労働省が支給する「特定求職者雇用開発助成金」を企業は受け取ることができます。
企業としては採用コストは抑えたいところであるため、第二新卒の採用枠を増やすことが考えられます。
効果的な職務経歴書の作成方法
職務経歴書は転職活動でもっとも重要なアピール道具です。
応募企業の採用担当へ効果的にアピールするために、まず業務経歴を棚卸ししましょう。
その中から、応募企業で自身が取り組みたい業務に関する経験やスキルをピックアップします。他の経歴と合わせて空白期間がないように書き出し、アピールポイントとメリハリをつけて作成しましょう。
第二新卒の場合、書く内容が少ないことに不安を感じるかもしれません。
ここでは、量よりも「前職ではどんな仕事に携わっていたのか」、「仕事を通じて何を身につけたのか」を知りたいと採用担当は考えています。
そのため、自身の業務経歴をいかに棚卸しし、理解できているかが重要です。
読み手に知って欲しいことと何を訴えたいかを明確にし、見易く短時間で読めるように工夫しましょう。
また、誤字脱字などのケアレスミスにも注意が必要です。同レベルの評価を受けている応募者と比較され、わずかなミスが不採用の原因になる可能性もあります。
転職エージェントを利用している場合は、添削サポートをぜひ利用しましょう。
面接での印象を良くするテクニック
第二新卒ではポテンシャル採用の見込みがあるとしても、面接対策をしっかりしておかないとなかなか内定がもらえない可能性があります。
ここでは面接対策のポイントをご紹介します。
まず自己分析をする
第二新卒は新卒入社から短い期間でも社会人として働いています。そのため、得意不得意や仕事に対する考え方が変化している可能性があります。
改めて自己分析することで転職の軸や目的、判断基準を明確にし、転職先のミスマッチを防げるでしょう。
また、面接で聞かれることが多い、自身の強み・弱み、自己PRについても整理することをおすすめします。
転職理由をポジティブに転換する
自己分析で転職の軸や目的がわかった後は、転職理由を明確にしましょう。
ここでは、ポジティブに言い換えた表現を用いることが重要です。
第二新卒は新卒入社後に数年で転職するため、「すぐに辞めてしまわないか」と疑念を持たれている可能性があります。
そのため、転職のきっかけがネガティブな理由であったとしてもポジティブへと言い換えるようにしましょう。
意欲と熱意をアピールする
第二転職は早期離職の疑念を持たれる可能性があることは先述した通りです。
マイナスな印象は、熱意や前向きな姿勢をアピールすることで払拭しましょう。
前職での経験や身に着けたスキルを、どのように活かしたいかを具体的に説明できるようにしてください。
また、エンジニアで働き続けるためには長期的なキャリアプランもアピールできるとなお良いでしょう。
ネットワーキングと情報収集の重要性
IT業界は日々進化し、次々と新しい技術開発や応用例が発見されています。
ITを取り扱う企業も増えており、ベンチャーから大手企業まで規模感も幅広く存在します。
応募先を選定するには、IT業界の動向と気になる企業の研究が欠かせません。
企業の特徴や理念、社風を理解し共感できるか、自身が進みたいキャリアプランに沿っているかを確認しておきましょう。
徹底的な企業研究で得たことは志望動機や入社意欲のアピールへと活かせるはずです。
第二新卒エンジニアの転職後のキャリアプランニング
転職後のキャリアプランニングはどのように考えたら良いだろうか?
長期的なキャリアビジョンの構築
ITエンジニアとして長期的に活躍するためのキャリア展望を描くには、「キャリアプラン」の設定が必要です。
キャリアプランを設定すると、将来の理想像と現状とのギャップが明確になり、今やるべきことが分かります。
現在の職場でのキャリアアップを目指す場合や、別の企業で新たな分野に挑戦する場合でも、効率よく経験やスキルを積み上げていく指針にできます。
継続的な学習とスキルアップの方法
IT業界のエンジニアのキャリアは多様化しており、他業種と比較して選択肢は幅広くあります。
第二新卒で転職する場合も同様で、身につける経験やスキルによってさまざまな働き方が選択可能です。
ただし、エンジニアは学習を常に継続していくことが必要になります。
それはIT業界は技術変化のスピードが速く、数年おきに新しいものに置き換わっていくことが多いからです。
学習をやめてしまったエンジニアの市場価値はすぐに落ちていってしまうでしょう。
進化していく技術を取り入れるために学習を継続していくことが、自身のスキルを積み上げていくことにも繋がります。
キャリアコーチングとメンターシップの利用
採用後の離職率を下げるために、企業はコミュニケーションや研修を整備する傾向にあります。
中には、メンター制度を取り入れている場合もあり、先輩社員が新入社員の教育担当となり効率的な育成や不安解消を図ろうとしています。
新しいことを学んだり、前職との違いに戸惑いを感じる場合は社内の相談先として気軽に活用しましょう。
一方、自身のキャリアや今後の働き方に迷った場合はキャリアコーチングを受ける方法もあります。
キャリアコーチングはキャリア相談のプロが、転職を前提とせずに自己分析から10年後のキャリア設計までサポートしてくれます。
キャリア相談する相手がいなかったり、自身にあっている仕事がわからなくなった場合に活用すると良いでしょう。
第二新卒エンジニア転職に関するまとめ
今回は、第二新卒でエンジニアへ転職する際に考えておくべきことを解説いたしました。
IT業界は人手不足といっても、簡単に採用されるわけではありません。
以下のポイントを押さえて、少しでも有利に転職活動を進めましょう。
- 第二新卒エンジニアの年収は、技術と経験により変動する。
- 転職の成功はタイミングと準備の質に依存する。
- 効果的な転職戦略とキャリアプランニングが重要。
第二新卒エンジニア転職に関するよくある質問
第二新卒エンジニアの年収交渉のコツはなんですか?
業が面接で希望年収を問う理由は、「予算の範囲に収まるか」と「市場価値を踏まえた現実的な判断が
できる人物か」を知るためです。
希望年収額は、高すぎても安すぎてもマイナスな印象を与えてしまう可能性があります。
そこで、印象を下げないためのポイントを以下にご紹介します。
- 希望を現職同等かそれ以上と答える
- 前職以上の場合は根拠を明確に伝える
- 自身のスキルと市場価値をよく照らし合わせておく
また、最後に「基本的には御社の規定に従う」という旨を添えておくと、より印象がアップするでしょう。
転職活動中のスキルアップ方法はどんなものがありますか?
ITエンジニアになるには、ネットワークやプログラミングの知識が必要です。
書籍やインターネットから独学で学んだり、通信講座やスクールを活用することも可能です。
無料で学ぶことができるツールや環境が豊富なので、積極的に勉強していきましょう。
エンジニア転職における面接のポイントはなんですか?
第二新卒でエンジニアへ転職する場合の面接のポイントは、以下の通りです。
- まず自己分析する
- 転職理由をポジティブに変換する
- 意欲と熱意をアピールする
詳細は「面接で印象をよくするテクニック」の項をご参照ください。